劇場版映画『鬼滅の刃 無限列車編』が日本国内最多の興行収入を叩きだし、海外での興行収入を合わせるとなんと517億円を突破した鬼滅の刃。
それまで1位だった『千と千尋の神隠し』の2倍近い興行収入を達成する兆しを見せている鬼滅の刃ですが、「なんでこんなに人気になったんだろう?」と不思議に思った人も多いのではないでしょうか?
今回はそんな鬼滅の刃ブームの神髄といっても過言ではない”作画”を手がけたアニメ制作会社『ufotable(ユーフォーテーブル)』についてご紹介します!

今までなんとなく見ていた人は、この記事のポイントに注目してアニメを見返すと衝撃をうけるかも…!
– もくじ –
- 鬼滅の刃の神作画シーン
神作画シーンその1:雪山を歩く炭治郎
神作画シーンその2:錆兎の稽古
神作画シーンその3:手毬鬼との戦い
神作画シーンその4:ヒノカミ神楽と爆血 - ユーフォーテーブルの過去作品
人気作品その1:Fate/stay night [Unlimited Blade Works]
人気作品その2:活撃 刀剣乱舞
人気作品その3:GOD EATER
人気作品その4:空の境界 - ユーフォーテーブルの年表・特徴
ユーフォーテーブルの作品年表
作画の特徴 - ユーフォーテーブル以外の神作画アニメーション制作会社4選!
京都アニメーション(ヴァイオレット・エヴァーガーデンなど)
MAPPA(呪術廻戦など)
マッドハウス(ワンパンマンなど)
コミックス・ウェーブ・フィルム(君の名は。など) - まとめ:ufotableは「光」と「背景」のクオリティが凄い!
鬼滅の刃の神作画シーン
色々なアニメを見ている人なら、鬼滅の刃の作画の美しさに驚いた人も多かったのではないでしょうか?
こちらの項目では「なんとなく見ていた」「どういう所が他のアニメと違うのかイマイチ分からなかった」という鬼滅視聴者の人にぜひ注目してもらいたい“神作画シーン”をご紹介していきます!
アニメの話数・何分くらいの位置なのかも載せているので、手元に鬼滅の刃のDVD・Blu-rayがある人や動画配信サイトに登録している人はぜひチェックしてみてくださいね。
神作画シーンその1:雪山を歩く炭治郎
出典:吾峠呼世晴/アニプレックス・集英社・ufotable/2019年/TVアニメ鬼滅の刃「第一話 残酷」
こちらは1話の冒頭。無惨に襲われた家族の中で唯一息のあった妹・禰󠄀豆子(ねずこ)を医者に診せようと、炭治郎が雪山を下っていくシーンです。ufotableの作画で特に凄い部分として”背景の美しさ”があげられますが、このシーンはまさにそんな背景技術を盛り込んだ作画となっています。
木々の皮や枝まで1つ1つ丁寧に書かれていたり、炭治郎(たんじろう)と禰豆子の顔のアップシーンでは、そんな手の込んだ背景をあえてぼかし、登場人物に焦点を当てることで現実で見える風景に近づける工夫がなされています。
そして敷き詰められた雪道は白一色で表現するのではなく、障害物となる木の根元には凹みをつけて影を表現したり、僅かに盛り上がった部分にもうっすらと影を入れてリアルな光の反射具合を表現しています。
神作画シーンその2:錆兎の稽古
出典:吾峠呼世晴/アニプレックス・集英社・ufotable/2019年/TVアニメ鬼滅の刃「第三話 錆兎と真菰」
次にアニメ鬼滅の刃第3話の15分28秒付近のシーン。このシーンは、修行の一環として鱗滝(うろこだき)に自分の背丈よりもある巨大な岩を割るよう言われた炭治郎の心が折れ、錆兎(さびと)が渇を入れるため姿を現したシーン。
このシーンでは2人の背景に描かれている光の加減や戦闘で舞い上がった砂埃のが細かく描かれています。夕暮れ時の場面ということもあり、オレンジがかった光を使って幻想的かつほんのり哀愁を漂わせる表現がされています。
ufotableの作画の特徴のひとつに”光のエフェクトが美しい”ということがあげられますが、このシーンにもそんな光を印象的に見せる技術が使われています。炭治郎たちの後ろに並んでいる木々を照らしているリアルな眩しさを表現している光や、炭治郎の刀の向きが変わった時に一瞬キラリと反射するオレンジ色の光が実物のような質感を持たせています。
また2人が移動した時に立ち上る砂埃も”アニメ”という感じのモワモワとした重い印象のものではなく、気付くか気付かない程度のうっすらとした色使いで描くことによって、リアルさを演出しています。
神作画シーンその3:手毬鬼との戦い
出典:吾峠呼世晴/アニプレックス・集英社・ufotable/2019年/TVアニメ鬼滅の刃「第九話 手毬鬼と矢印鬼」
鬼滅の刃の神作画シーン3つ目は9話で炭治郎が手毬鬼と戦闘を繰り広げるシーン。こちらは10分57秒辺りでのワンカットとなっています。この戦いでまず注目してほしいのはそのカメラワーク。
手毬鬼の投げた複数の毬から逃げる炭治郎ですが、この時カメラも一緒に炭治郎の体に合わせてナナメに回転したり、毬と共に炭治郎に近づいていくことで、見ている人も炭治郎を追っているかのような臨場感を味あわせています。
その後炭治郎の刀から現れた水も、登場人物を描く時のような細い線ではなく、筆で描いたような太めの線で表現することで技の存在感を演出し、見ている人を飽きさせないポイントになっています。
また鬼滅の刃のアニメの凄いところはその3Dモーションの使い方。3Dモーションが普及してきたとはいえ、普通のアニメでは登場人物の動きと3Dモーションのなめらかすぎる動きの組み合わせに違和感を感じる事が多いのが現状です。しかし、鬼滅の刃ではこの矢印のように「技」として3Dモーションをアニメに組み込むことで、2Dと3Dの違和感を緊迫感に変換することに成功しています。
神作画シーンその4:ヒノカミ神楽と爆血
出典:吾峠呼世晴/アニプレックス・集英社・ufotable/2019年/TVアニメ鬼滅の刃「第十九話 ヒノカミ」
そして鬼滅の刃最大の名シーンでもあるヒノカミ神楽のこのシーン。19話の19分12秒あたりから炭治郎のヒノカミ神楽と禰󠄀豆子の爆血が惜しみなく繰り出されるこのシーンは、鬼滅の刃の一番の神作画といっても過言ではありません。
錆兎の稽古のシーンでもご紹介したように、ufotableは光のエフェクトがとても美しく描かれていますが、ヒノカミ神楽のシーンでもあらゆる箇所にその技術が盛り込まれています。
まず炭治郎達が戦っているのが夜ということもあり、月の光がうっすらと地面を照らしたり、登場人物の頭など上部は明るく、手や足など下部に向かって暗くなるように描かれています。そして炭治郎の刀から発している炎のオレンジの光が肌や刀身に反射して戦いの激しさと炎の熱さを表現しています。
また、禰󠄀豆子の手から繰り出される爆血の光も、顔や手の血管に濃い影を作り、見ている人に戦いの緊迫感を伝える要素の1つとなっています。